Good Business Good Peopleを運営する株式会社ビジネスコンサルタントは、2022年4月、Well-being共創ラボを設立しました。この記事では、Well-being共創ラボの初めてのイベント、第1回Well-being共創会(2022年9月開催)より、「ウェルビーイング経営とは何か?」についてご紹介します。

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ウェルビーイング経営実現を7つの要素から考える

昨今、経営とウェルビーイングの関係について見聞きすることが増えてきました。けれども、組織としてウェルビーイングが実現されるにはどのような条件を備えている必要があるのか、疑問に感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私たちは現時点で、ウェルビーイング経営の実現には次のような要素が必要なのではと考えています。

ウェルビーイング経営は、

 1.豊かなビジョンを掲げている

 2.ビジョン実現にむけて動き出している

 3.誰もが主役になっている

 4.多様性が活きている

 5.誰もが心身ともに健やかで充実している

 6.地域社会とのつながりを大切にしている

 7.Well-beingの独自指標でマネジメントしている

ウェルビーイング経営というのは、まだまだ学術的な研究は進んでおらず、実践としても唯一の正解といえるような成功例がある領域ではありません。とはいえ、今の段階で指針になりそうなものがないとラボラトリーでの実験的な取り組みも、検証もできません。そこで、ビジネスコンサルタントがこれまで取り組んできた組織開発・人材開発、サステナビリティ経営などの経験や研究から大切だと思われるものを抽出しています。

この7つそれぞれの意味合いについて、Well-being共創ラボのリーダー、株式会社ビジネスコンサルタント執行役員石川大介がご紹介しました。

1.豊かなビジョンを掲げている

「豊か」の意味合いには様々な側面があり、満ち足りた、ゆとりがある、伸び伸びとしたといったものがあります。組織としての強さや大きさといった、他社と比較して一番といったようなことではなく、「豊か」を強調したのには意味があります。

ビジョンの例として、花王は「きれいをこころに未来に」、積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする”と掲げています。自社が強くなるとか、競争に勝つということではなく、この会社で働いている私たちの生活も、そしてお客様も、皆で共に豊かになるというメッセージであることに共感が集まります。経営者としての目配せの範囲やビジネスそのものの広がりがみえ、将来への漠然とした不安をかかえる若手をはじめとした社員に響くものになるのではないでしょうか。

2.ビジョン実現にむけて動き出している

ビジョンを掲げたら、次には、「10年20年先にありたい姿になるために今何をするのか」ということが、私たちの日常の活動に落とし込まれていることが大切です。

例えば私どもビジネスコンサルタントでは、ウェルビーイング経営実現を標榜してから、最初に具体化したのは、お客様と共に試行錯誤するためのラボです。また、コロナ禍がウェルビーイングに大きな影響を与えたのは社員間の交流の激減でした。そこで、「ウェルビーイング・デイ」と称し、毎月第2水曜日は、飲み会だけでなく、野球観戦やバーベキューなど思い思いの過ごし方で社員同士が繋がる活動を行うことを推奨する日にしました。こうして一人一人が日々感じているウェルビーイングについて語り合う機会を作っています。これをきっかけに社内に新たなつながりが生まれています。

3.誰もが主役になっている

ウェルビーイング・デイにはトップや幹部が参加することもあります。それだけでなく、ことあるごとにウェルビーイングについて幹部が自らの言葉で語ることを日常の一部にしています。ホームページや会社案内に書かれているビジョンを眺めるだけではなく、誰もが主役という状態を作るには、幹部が職場の中で仲間とこういう会社にしていこうよと語りかけ、皆に問いかけ続けることしかありません。語り合うことによって共感が生まれ、一人一人が、自分が皆と一緒に実現していくために何ができるのかを考え始めるエネルギーになります。

4.多様性が活きている

価値観の違い、働くことに対する考え方の違い、人生観や家族観など、同じ日本人でも多様です。だからといって、そのままにしていては多様さは活きてきません。多様な人が集まって共に歩むためには、それを認めあうことから始まります。そうして初めて、新たなものが生まれ、イノベーションに繋がる可能性がひらけます。

5.誰もが心身ともに健やかで充実している

自組織で働く人たちはもちろん、少しフォーカスする先を広げて、ステークホルダーや地域社会、私たちのビジネスと関わりのある人たち全てという意味合いを込めています。サステナビリティの観点で地域社会の課題を解決していくことにも繋がりますが、心身ともに健やかで充実している状態を我々の会社・企業活動としてどうやって作り出していくのかということまで視野を広げてみると、今まで気づかなかったことに気づいたり、様々な人とコラボレーションすることが可能になるかもしれません。

6.地域社会とのつながりを大切にしている

六方よしという言葉があります。売り手よし、買い手よし、世間よしの三方に加えて、働き手よし、地球よし、未来よしの3つを加えた言葉です。社会の課題に対して企業としてどう関わるかが、以前にもまして重要視されてきています。安心安全な地域社会でないとビジネスすらできません。

7.ウェルビーイングの独自指標でマネジメントしている

ウェルビーイングを測る指標は、全ての会社に共通のものがあるかというと、そうではありません。自社の社員がどんなときにウェルビーイングを感じるのか、また、それはどのような問いかけをすると測定できるのかを自ら考える必要があります。経営者の考えだけでなく、多くの人を巻き込んで対話するプロセスをふみながら指標を作りあげることそのものが、ウェルビーイング経営に一歩踏み出すことになるのです。

「共創ラボで取り組みをしていくうちに、この7つの要素が5つになったり6つになったり、また内容が入れ替わったりするかもしれません。ウェルビーイング経営の実現にむけてより確度の高い仮説を、共創ラボに集う組織同士での試行錯誤を通して作っていきましょう」(石川)

まなぶ、つながる、共有する、そして共創へ

イベントの最後に、ウェルビーイング共創ラボ専属コンサルタントである土屋智正が、共創ラボの活動コンセプトをご紹介しました。

Well-being共創ラボ活動コンセプト

学ぶ

ウェルビーイング経営について、心理学、経済学、哲学や仏教など様々な角度から学ぶ場をつくります。ウェルビーイング経営の実現にむけて、私たちはどのような働きかけができるのか、新しい視座を獲得していきます。

つながる

ウェルビーイング経営実践を目指す人たちと「つながる」ことを大切にします。Well-being共創ラボを通じて、未来の経営のあり方を見つめながら行動できる人々とつながり、そこから起こる化学反応によってポジティブな変化が起こせると信じています。

共有する

共に学び成長するために、参加者が自組織の挑戦や、経験により培った勘所、人間性などを分かち合うことを大切にします。学びたい、共有したいテーマに応じた文化課快・視察・イベントなどお互いに学びの機会を作り出していく場を創出します。

共創する

「学ぶ」、「つながる」、「共有する」が有機的につながり、未来をともに“つくる”ことを実行していきます。学ぶだけでなく、お互いの知恵を積極的に取り入れ、共に具体的なアクションを起こしていきます。これからのウェルビーイング経営の未来にむけた様々なデザインを生み出し、価値を社会へ提供していくプラットフォームを目指します。

Well-being共創ラボでは、ウェルビーイングの高い組織づくりをしたいという思いを共にするビジネスパーソンや専門家の皆さまとつながり、実験的な試みを共有する機会を作っていきます。

今後の詳しい活動予定についてご関心のある方は、ぜひ弊社に直接お問い合わせください。

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