貴方はお寿司を、食べたことはあるが作ったことはない人とします。そのあなたに「寿司飯の作り方を考えろ」と言ったら、どんなレシピを準備しますか? おそらく、web検索して以下のようなステップを知ることができるでしょう。
寿司飯の作り方
◆材料(米1合=175g分)
- 米1合(175g)
- 寿司酢(酢18g、砂糖20g、塩2.5g)
◆作り方
- お米を少し固めに炊く
- お米の量に合わせた分量の酢、砂糖、塩を容器に入れて混ぜる。
- 炊き上がったご飯にかけて、しゃもじで切るように混ぜて、ご飯を冷ましたら完成
- 手巻き寿司、握り寿司などに利用して食べる
イノベーションの価値を高めるのは、フィードバック
確かに、これで寿司飯はできますが、食べる人が「おいしいと思う」寿司飯かどうかはわかりません。上記の「作り方」で言えば、3番から1番や2番へのフィードバック・ループが必要でしょう。作って、フィードバックをもらい、また作り直す、そのプロセスを早くかつ多く行えば行うほど、寿司飯はおいしくなるでしょう。このプロセスを、「プロトタイピング」と呼びます。 ※過去私の妻に、「おいしいよ」と言われて出された料理を「おいしくない」と言えないことがありましたが・・・(笑)。(その時は「私の作ったものはおいしいに決まっている」、と言って味見もせずに出されたのでした。) 企業においても、開発担当者が「この製品は素晴らしい」と思い込み、初期のフィードバックを受けずに生産して、結局在庫の山となってしまった例が沢山あります。 大事なのは、早い段階でフィードバックをもらい、また作り直していくというプロトタイピングの考え方。それが商品開発、すなわちプロダクト・イノベーションを価値あるものにします。
補足
日本の高級寿司屋の職人は、顧客の表情や態度をフィードバックとして、寿司の内容や握り方を変えることがあります。日本の寿司は、フィードバックを大事にしているアートです。
作って、フィードバックをもらい、また作り直す、このプロセスを素早く回していくのに必要な要素として、クリエイティビティがあります。 「クリエイティブとは何か」に関する視点は人それぞれですが、ここでは6つのクリエイティビティを定義し、あなたの思考プロセスを分析します。 ご興味のある方は下記よりダウンロードし、ご自身の「クリエイティブタイプ」をぜひ診断してみてください。
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大学卒業後、株式会社ビジネスコンサルタントに営業として入社。営業所責任者を経てコンサルタント部門移籍。2013年フェロー役員就任。
専門領域は、イノベーション・マネジメント。組織レベル、事業レベル、商品レベルそれぞれのイノベーションを効果的に生み出すマネジメントを専門分野とする。現在は、コンサルタントとしての活動のほか、ビジネスコンサルタントの研究開発部門の責任者も兼ねる。