小岩井農場。岩手県の人気のレジャースポットとして有名ですが、実は、大人がサスティナビリティを五感で学ぶのに最適の場所だということ、ご存知でしょうか?今回からお届けするのは、私たちが社内で実施した、サスティナビリティを学ぶための視察研修のレポートです。

2日間のスケジュールはこちら。

2日間のスケジュール

まずご紹介したいのは、小岩井農場の、大人と子供が一緒になってサスティナビリティを体感して学べる空間としての魅力。学びのポイントがとても多いので、2回に分けてお届けします。

私たちが小岩井農場を訪れたのは、美しく彩られた紅葉の時期。美しい景色に胸が高鳴ります。

サスティナビリティを学ぶなら、子供と一緒に

サスティナビリティを体験的に学ぶことがテーマの視察ツアー、参加したのは、社員16人、子供7人、合計23人です。3家族が、幼児から小学生を伴って参加しました。

「子供と一緒に」というのは、私たち企画担当者らで最初に決めたこと。従来より、環境教育は子供のうちが効果的なこと、そして子供を入り口に大人が学び、行動が変わる、そういう学びの回路があることを話に聞いており、自社でもやってみたいと考えたからです。

自然の力と人の努力が合わさってできた、美しい小岩井農場の森

小岩井農場の視察は、森林散策から始まりました。牛の見学ではなくて森?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は小岩井農場の総面積の3分の2が森林。そしてこの森林は農場のエコシステムを構成するとても大事な機能を果たしているのです(それについては後述します)。

案内をしてくださったのは、ネイチャーガイドの佐藤康さん。小岩井農場大好き、自然大好き、のオーラで私たちを森にいざなってくださいます。

この森歩きの段階で、子供たちと一緒に来た効果を実感しました。子供たちは、あちこち走り回り、何かを見つけてはガイドの佐藤さんに質問をします。大人とみているものが全然違う!!大人が気付かない葉っぱやら木の実やらをたくさん見つけてきます。

小岩井農場の森
森歩きの始まり、やる気のみなぎる男の子たちの背中
小岩井農場の森、小川
子どもたちの関心に応えるべく、佐藤さんは水中に幼虫がいないか探してくださっています。
小岩井農場の紅葉
美しい落葉を踏みしめる感触が楽しくて、はしゃぐ子どもたち

小岩井農場の森は、ここがかつて荒野であったとは、全く想像できないほどに、豊かなものです。植林された人工林、というと、杉などの針葉樹ばかりが立ち並び、光が入らず暗い、そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここは違います。

小岩井農場の清流
美しい水流
小岩井農場の明るい森林
針葉樹が適切に管理されているので、
自然と広葉樹も生育する明るい森
小岩井農場の森林、土壌
シダなども茂り、土壌は一見すると豊かそうだが、もとが火山灰土質のためそうではない。
現在でも森林の管理に大変な労力をかけているそう。
小岩井農場100年の森
100年の森。走りたくなる景色(子どもたちは走り抜けていました!)。杉の先がとがっているのが、まだまだ成長途中の証拠。小岩井農場では、杉は100年周期で育てている。

小岩井農場はサスティナブル経営で130年、日本で最初の大規模農場

私たちが散策した森林は、130年前には荒野でした。どのようにして、小岩井農場は建設され、緑豊かな土地が形成されたのでしょうか?

小岩井農場は、「環境保全・持続型・循環型」の方針の下、運営されている農場です。経営主体は小岩井農牧株式会社(本社:東京)という、民間企業です。
この「環境保全・持続型・循環型」という考えは、1891年の設立当初にすでに示されています。鉄道庁長官であった井上勝氏が、鉄道建設のために破壊してきた美しい自然や田畑を取り戻そうと、岩手山のふもとの広大な荒野4000haに農場を築くという途方もないビジョンを描いたことから、その歴史は始まりました。

日本の酪農の礎を築いた小岩井農場

井上氏は、三菱社社長の岩崎彌之助氏(岩崎彌太郎の弟)の支援を受けて4000haの土地を入手し、農場建設に取り組むものの、7年ほどで断念。その志を受け継いだ三菱社3代目岩崎久彌氏(岩崎彌太郎の息子)は農業に大変造詣の深い人でした。彼のもと、農場は日本の農場経営と酪農の先駆けとなる取り組みに次々挑戦していきます。

設立当初、荒野への農場建設は困難続き。もともと土壌が悪く作物が育たないから人の手が入らなかった土地です。岩手山の吹きおろしの風をよけ、雨水をため込むために、気の遠くなるような本数の植林をして森づくりに着手。牧草地を作るために、当時の最新技術を採用して、石灰をまき暗渠排水を設置して土壌改良する努力が地道に続けられました。
一方でヨーロッパから乳牛を輸入し、日本の気候に合う種を見極め、ホルスタインの本格的な飼育と繁殖を始めます。

サスティナビリティの完成度を高める取り組みは今も続く

小岩井農場は、岩崎家の支えのもと、約40年間かけて経営基盤を整え、昭和13年に株式会社化されます。時代の変化に対応して収益源を変え、多角化しながら、「環境保全・持続型・循環型」の完成度を高める取り組みが続いています

第二次世界大戦後に1000haを農地解放し、現在は、所有する土地3000haのうち3分の2が森林、残る3分の1を生産事業・観光事業に使用しています。飼育されている牛は約2200頭、その他に羊や鶏10万羽。牛は、乳牛がメインで育成牛(子牛)、食肉用の牛も含まれます。
森林はいわば緑のダムとして豊かな水をためるとともに、動物たちが健やかに育つのに欠かせないきれいな環境をもたらしています。

小岩井農場の生産事業については、次号の施設見学のレポートでご紹介します。


森林散策の後は、小岩井農場自慢のジンギスカンと低温殺菌・ノンホモのこだわり瓶入り牛乳を堪能。新鮮な牛乳で作られた、ソフトクリームやジェラートも、もちろん味わってきました。
小岩井農場のホームページはこちらです。個人でも参加でき、学びの深まるガイド付きツアーも様々に開催されています。


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