イノベーションに必要な要素として「新しいこと」は必ず求められます。
しかし、本当にそれだけがイノベーションでしょうか?
サスティナビリティ(持続可能性)の観点からイノベーションを考えてみると、他の要素も求められるように思います。

その一つは、持続可能な社会で求められる「価値」を提供しているか?ということです。

ただ新しいだけでなく、将来のカスタマーニーズにも応えようとする姿勢を持って、その価値を提供している製品やサービスを生み出しているか?がポイントになります。

7世代先のことを考えて決める「seventh generation

その考え方を企業理念としている組織があります。
アメリカの「seventh generation」という企業をご存知ですか?
この企業をご紹介することで、イノベーションのヒントをつかんで頂けたらと思います。

企業コンセプト

アメリカ原住民であるイロクォイ族に伝わる「全ての事は7世代先(セブンスジェネレーション)のことを考えて決めなくてはならない」という教えをコンセプトに誕生した、アメリカで人気の自然派家庭用品ブランドです。

その名の通り、現在から未来までの人々の健康や地球環境への影響を考え、持続可能な社会を実現する商品の製造販売を行なっています。

製品開発コンセプト

研究開発のコンセプトは「健康・経済・環境・パフォーマンス」です。

この結果、次のような安心かつ安全なエコ商品が製造されています。

  1. 全ての商品においてリン酸や塩素、人工香料、着色料などを一切使用せず、できる限り自然分解可能な成分で製造。
  2. 容器には、ミルクボトルをリサイクルした、再生プラスチックを使用。
  3. 植物由来の洗浄成分と酵素の働きで、洗浄力は一般的なブランドと同等の優れた性能。

売上

企業姿勢と製品コンセプトが消費者の共感を呼び、2000年の売上高1500万ドルから、2008年には14000万ドルまで急成長しています。究極の目標値として10億ドルを掲げています。

ただし、企業として目指すところは、市場シェアを伸ばすことだけではありません。

好ましい変化を世界に起こすための力となり、持続可能な世界をもたらすこと。利益はゲームにおける点数であって、勝負そのものではない、という考え方を持っています。

社員教育

2000年以降、社員教育にも力を入れて取り組んでいます。

狙いは、「どのように働くべきか、何を達成したいのか」を社員にはっきり意識させることです。

「根深く習慣化した考えを断ち切り、古くなったアイディアを捨て、過去の成功パターンをただ繰り返すという安易な道を避けなさい。」というメッセージを浸透させています。

 いかがでしょうか?

seventh generation」では、「サスティナブル」という軸をもち、商品・サービスのイノベーションで将来の世代に価値をもたらすために取り組んでいることがお分かり頂けたかと思います。

同社の取り組みには、現在の顧客が商品を利用することに喜びを感じ、従業員もこの組織で働くことに幸せを感じられるメッセージがあります。

組織の中のイノベーションで大切なのは、“新しい”だけでなく、地球環境や将来の世代のニーズに応える製品サービスの開発を通じて、

  • 顧客からの共感を得られる
  • 従業員が理念の実現に向けて達成感を持ちながら働ける

 こういった環境があって、生まれるものなのかもしれません。

サスティナビリティを目指したイノベーションは、企業にとっての生き残り策に他なりません。しかし、関心はあるけれどもまだ身近な問題として感じられないという方も少なくないかもしれません。以下よりダウンロードいただける資料では、サスティナビリティを実現する”秘訣”を一部ご紹介しています。自社のビジネスモデルを今一度考えるきっかけとなれば幸いです。





サステナビリティとイノベーション 〜次世代への責任〜




廣瀬 沙織
東京工業大学大学院 社会理工学研究科 修士課程修了/ 一般社団法人日本ポジティブ心理学協会 理事。 株式会社ビジネスコンサルタントにて営業マネジャー職を担当。その後、同社における顧客組織の組織開発と人材開発への投資効果と投資効率を最大限に高めるための会員制サービスの商品戦略を担当。現在は同社の研究開発マネジャーとして、サステナブル社会の実現のため、ポジティブ心理学やイノベーション理論、自然科学ベースの戦略策定フレームワークに基づく商品開発およびその実践を担当。