私事ですが、先月からコーチングを受け始めました。
年始に自分のキャリアについてバックキャスティングで考えてみたことがキッカケで、望む未来へ自分を進めることが目的です。
そのために、今までの思考のパターンではあまり変化できないかもしれないと考えたので、コーチに伴走してもらうことにしました。

コーチングのステップは簡単に言うと以下の通りです。

  • 一緒に仕事をしている人たち(協力者)へのインタビューにより率直なフィードバックをいただく
  • フィードバックを受け止め、自分の行動指針を明確にする
  • 行動指針を協力者へ開示し、その行動のためのフィードフォワードをいただく
  • 具体的な行動レベルに落とし込み、実践する
  • 日々の行動を自らチェックしながら改善する
  • 協力者からフィードバックと次のフィードフォワードをいただく

まだ始めたばかりですが、プロセスのなかで面白いなと思ったことの1つが「フィードフォワード」です。
この「フィードフォワード」は、個人の成長だけでなくチームや組織の成長・学習に活かせると感じました。
今回は「フィードフォワードの効用」についてご紹介したいと思います。

フィードフォワードから得られるもの

「フィードフォワード」とは、以下のようなことを指します。

自分が設定した行動目標を実践するために、協力者からアイディアをもらうこと

私は、日常活動のなかで頻繁にフィードバックを受けることは多いのですが、自らフィードフォワードを意識的に求めることはしていませんでした。
しかし、私が意見を求めた方は、みなさん、とても協力的でした。

「行動目標に対して、上手く実践するためのアドバイスをください」
と私がお願いすると、
「えっ……難しいなぁ……」
と言いながらも、ご自身の経験をもとに具体的なヒントを、たくさん話してくれました。

フィードバックを受ける時のような少し叱られるような雰囲気はなく、
真剣だけどそこにはある種のアイディアを考える楽しさがありました。

実施してみてフィードフォワードには、変革に向かうマインドセットが醸成できるいくつかの重要な要素があるように感じました。
それは、フィードバックとフィードフォワードの次のような性質の違いからくるものかもしれません。

  • フィードバック…………過去・現在の修正すべき点に焦点が当たる
  • フィードフォワード……未来の目標に対するアイディアに焦点が当たる

よって、フィードフォワードは、自然と批判ではなく、助け合いの雰囲気が作られます。

また、フィードフォワードを受ける側は、よく相手の言うことを聴き、「ありがとう」だけを伝えるという決まりがあります。
フィードバックを受ける時には、「どう反論しよう?」と考えることに意識が集中するので、実は、相手の意図することを聞いていないということも多かったように思いますが、この決まりを適用すると、アドバイスを噛みしめることができたと思います。

過去を学ぶフィードバック・フィードフォワードは未来から

人材の育成は、その人の成長段階によって方法が異なり、使いわけることが重要です。

  • 基本的なことを出来るようにする……徹底的なトレーニング
  • 基本を踏まえてより成長する…………コーチング

同じように、組織として基準値に満たないところを改善することも必要ですが、より素晴らしい組織になるためにはまた別の取り組み方が求められると思います。

もちろん、過去の事実に焦点を当てて、それをフィードバックという形で受け取ることは人や組織が学習し、成長していくために欠かせないことです。
ですから、フィードバックの質を高めたり、フィードバックを能動的に取りに行ったりすることはとても大切です。

しかし、フィードバックは、基準値に合わないときにそれを正すことが目的です。
未来に目を向けた時に、「何をしていくのが良いか?」というのは、「未来から学習する」というスタンスのフィードフォワードが効果的に機能するのではないでしょうか。

まずは進みたい未来を描き、そのために何をしていくかを互いにアイディアを出しあい、サポートし合いながら、一歩ずつ進んでいくようなイメージです。
こうすることで、人間関係自体が変化し、考えや行動、そして結果にポジティブな変化が生まれるのではないでしょうか。

フィードバックをしあう文化がないとお困りの声を聞くこともあるのですが、まずはフィードフォワードを使ってみましょう。
お互いの関係作りから始め、そこからフィードバックに繋げるという方法もあるように思います。

未来から学ぶ、フィードフォワード、ご参考にして頂けたでしょうか。成長のためのアイデイアを出すということに関連し、組織の課題解決に向けてもう一つお勧めしたい手法に、「クリエイティブタイプ」診断があります。 「クリエイティブとは何か」に関する視点は人それぞれですが、ここでは6つのクリエイティビティを定義し、あなたの思考プロセスを分析します。 ご興味のある方は下記よりダウンロードし、ご自身の「クリエイティブタイプ」をぜひ診断してみてください。

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