サスティナブルビジョンをいち早く取り入れ、そのノウハウを世に送り出すことで競争優位を築いているスウェーデンは、何をどのように取り組んだのでしょうか。
今回はストックホルム市にある第二のエコシティ ロイヤルシーポート地区での視察をレビューしてみたいと思います。

元王族の土地 ロイヤルシーポート

ハンマビ―ショースタッド地区の経験も踏まえ、いかにサスティナブルな街を作るかを現在も追及しているのが、ストックホルム市第二のエコシティ ロイヤルシーポート地区。
200年前までは王族の土地で、それをストックホルム市が購入しました。港湾地区でもあるので「ロイヤル」「シーポート」

ロイヤルシーポート建設中
水辺にある開けた地区で、非常にすがすがしい印象を受けました。

視察中もいたるところで 建設現場が見られ、まさに開発まっただ中のエリアでした。

 

 

 

目指すは 2030年脱化石燃料&ウォーカブルシティ

この地区開発の目標は、「2030年脱化石燃料」

そしてコンセプトは「ウォーカブルシティ」

歩いて活動できる街づくりを進めていて、住むために必要なものは全て作ろうとしています。幼稚園や公園、フェリーの港、皆が集まれる場所・・・


駐輪場
この街に入ったとたんに自転車の数が多いことに驚きました。
さすがエコシティ。極力自動車を使わないで移動に努める方が多いようです。

コンセプトが明確なだけに、駐車場がほぼ無い。
車道の駐車を禁止したり、そもそも駐車場が地上に無く地下に作るなど、街全体の景観としても徹底していました。

 

ロイヤルシーポートの新たな試みとは?

ストックホルム市の急激な人口増加に対応すべく、12,000世帯の居住、35,000人の雇用ができるように、そして1年間で350万人が利用できるように街づくりを計画しています。
政治家・行政・大学などが一体になって、 6つの分科会に分かれて検討を進めています(エネルギー 、ビルディング、交通機関、リサイクルシステム、気候変動、ライフスタイルの6つ)。

バキュームシステムや地域暖房システム、公共交通機関の充実などに加え、ロイヤルシーポートで特徴的なのは「サスティナブルビルディング」と「グリーンエリアファクター」光反射のマンション

スウェーデンで一般的な住宅は「パッシブハウス(暖房のためのエネルギーをほとんど使わなくてよい住宅)」なのですが、ここでは「エネルギープラス住宅」を建築中なのです。

ソーラーパネル等を使い、自分たちが使う分以上のエネルギーを生産できる家を、大規模で建設中です。
様々な建材は全て毒性が無いものを活用するようにし、どこにどのような素材をつかったのか、記録を残しているそうです。のちに毒性の物質が強い、とわかった時に取り除けるように。

 
グリーンガーデンまた、敷地・建物の60%はグリーンでおおわれていないといけないという独自のルールを作っています。生物の為にどれだけ役に立つ環境を作るか、生物多様性を考えた良いグリーンエリアを作っています。

 

 

エコシティ実現に向けた成功の鍵

最後に、このエコシティを実現させるための成功秘訣をどのように考えるかを聞いてみました。
答えは「教育」することだそうです。
建築会社や運転手、大工など、建設に関わる関係者に環境やサスティナブルの循環について事前に徹底的に教育をし、目指したい方向性へのベクトルを合わせるのだそうです。

更に、入居したい人にも教育プログラムがあるそうです。確かに立派な設備があっても、入居者の運用が誤っていれば、サスティナブルは実現しません。

今はまだ建築途中でしたが、どれだけサスティナブルな街になるのだろうと、数年後の街を再度訪れてみたい気持ちにかられ、街をあとにしました。

【スウェーデン視察記 シリーズ記事】

  1. MAXハンバーガー編
  2. エコシティ ハンマビー ショスタッド地区編
  3. 第二のエコシティ ロイヤルシーポート編

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サステナビリティとイノベーション 〜次世代への責任〜




武田義弘
大学卒業後、1998年に株式会社ビジネスコンサルタントに入社。営業所責任者を経てコンサルタント部門に移籍。サステナブル経営実現の為のコンサルティングを行う専門チームに所属している。 サステナビリティとの出会いは学生時代。国際問題を扱う研究会にて持続可能な発展(サステナブル・ディベロップメント)に関心を持つ。ニューヨークにて開催された、国連持続可能な開発会議(通称:CSD)と同時並行で行われたユース会議に日本のNGOの一員として参加したことも。企業、社会、地球のサステナビリティの実現をミッションに活動中。