私たちが生活するうえで、地球温暖化を防ぐためにできる貢献とは、どのようなことがあるでしょうか。

さまざまな活動のなかで、貢献はできます。
私の仲間は、携帯用魔法瓶を持ち歩いています。移動には電車や地下鉄を利用し、タクシーを利用するときにはハイブリッド車を選択しています。

このような取り組みは、とても大切なことです。日々の小さな変化が積み重なって環境が形成されていくからです。

日常生活の中枢にある「住宅」「食事」「移動」は、サスティナビリティに大きな影響を与えているといわれています。それゆえに、最近ではさまざまな基準や仕組みができています。

具体例を見ていきましょう。

サスティナビリティへの基準や仕組み

「住宅」については、経済産業省、国土交通省、環境省が設置する「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」で、全ての新築住宅を対象として、2020年までに新基準への適合を義務づけました。これにより、省エネ住宅基準への準拠、つまり、建物自体が高断熱性能を装備するだけではなく、省エネ型の設備機器を搭載する必要がでてきました。

「食事」については、サスティナブルな方法で獲得した魚であるという認証を、Marine Stewardship Council(詳しくはこちらの記事をどうぞ)が定めた「海のエコラベル」という制度で把握できる仕組みがあります。養殖のサケは11.9kgの温室効果ガスの排出量があり、養殖の場合は育成段階で抗生物質を投与している可能性もありますので、これらも注意をしたいものです。

※Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)とは、ロンドンに本部を置く、「持続可能な漁業」を行う漁業者を認証する運営機関

食材が排出する温室効果ガスの量を把握しておくことは、食事を選択するうえで参考になります。

アメリカの環境保護団体Environmental working groupのレポートによると、羊肉(39.3kg)、牛肉(27.1kg)、豚肉(12.1kg)、鶏肉(6.9kg)となっています。「肉」という同カテゴリをとってみても、同じ量を食べてもこれだけ温室効果ガスに違いがあるのです。The Natural Step(以下TNS)のコンサルタントが、鶏肉を好む理由がよくわかります。羊肉や牛肉をとることに比べて、豚肉や鶏肉を選択することは、サスティナビリティに貢献するといえます。

その他の食材の温室効果ガス排出量は、チーズ(13.5kg)、卵(4.8kg)、ジャガイモ(2.9kg)、米(2.7kg)、ブロッコリー(2kg)、トマト(1.1kg)というデータがあります。

「移動」については、航空会社各社も動き出しています。

みなさんは、”カーボンオフセット”というシステムをご存じでしょうか。

カーボンオフセットとは、二酸化炭素の排出量を抑えるように生活し、温室効果ガスがどうしても発生してしまう場合は、これらの削減に努める活動に対し、投資を行う考え方とシステムです。

TNSのコンサルタントが東京に来たとき、フライト前にカーボンオフセットを利用し、ストックホルムから東京までフライトで発生する二酸化炭素排出量相当の金額を支払ったと話していました。ヨーロッパには空港にカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)を精算できる端末があり、フライト前に利用できるそうです。

私はコンサルタントという仕事柄、日々全国へ出張します。必然的に新幹線や飛行機の利用が多くなりますが、西日本方面であれば広島までは新幹線で移動し、極力飛行機は使わないようにしています。二酸化炭素の排出量を考えてそのような選択をしています。

とはいえ、福岡への出張時には飛行機を利用します。その際に航空会社が実施しているカーボンオフセットプログラムで負担した金額は、片道864円(CO2排出量100kg)でした。

私が利用した航空会社では、カーボンオフセットにより植林活動を促進し、環境への還元をしていました。

「地球の住人」としてできること

一個人で環境がよくなるようにとどれだけ努力していても、事業として提供されるサービスを活用している以上、それは微々たる努力にしかなりません。事業主の方々は環境に配慮したサービス展開に努め、サービス受給者が環境汚染に加担しているとのマイナス感情に陥らないようにイノベーションを図っていただきたいと思います。

一方で、私たちが何気なく生活をしているなかで、環境に影響を与えているものがあるのであれば、少しずつでも変えていきたいですよね。一個人でできることと、できないことがありますが、「地球の住人」という前提を忘れず、選択基準を意識していきたいものです。

サスティナビリティのためにひとりひとりが実践できることはたくさんあります。では、皆さんの企業活動においてはなにに取り組みますか?サスティナビリティ実現のためにビジネスモデルを見直すポイントを分かりやすくご紹介しています。ぜひご覧ください!





サステナビリティとイノベーション 〜次世代への責任〜




笠井 崇
1988年入社。現在、テクニカル・ディレクターとしてコンテンツ開発、マテリアル開発の責任者を兼務。コンサルタントとしての専門領域は経営人材育成研修(社内ビジネススクール)、事業戦略、ビジネスモデルイノベーションに関する研修講師、サステナブル戦略、バックキャスティング経営に関する研修やコンサルテーションを担当。2015年国際NGO団体 The Natural Stepの認定トレーナーを取得。