あなたは組織や職場が変わろうとするとき、その流れに乗りますか?それとも抵抗しますか?それともノンポリ派を決め込みますか?

ある企業で働いている年輩社員の方からこんな話を聞きました。
「コンサルタントとは何かを変えようと会社に乗り込んできて、ある一定期間いたら去っていく存在ですよね。だから取りあえず、それをやり過ごすとその後また今までどおりの生活に戻れるんです。抵抗せず、完全に乗るということもしないというやり方を社員が身につけてるんですよ。」

心の中で「えっ、そんなことを本気でやってるの?大丈夫?」と思いましたが、変化することの大変さや居心地の悪さを考えると、そこから逃れるための受け流しスキルが心の安全を保つ手段だったんだなと分かります。

そして、そこには組織だけでなく従業員のことも考えて変革をしたい経営者の考えと、「(したくもない)変革をさせられる」と感じる従業員との間に大きな溝があるんだろうと想像しました。そして、これはよくある構図なのではないかとも思いました。

では、いったいどのようにしたら変革に社員を真に巻き込むことができ、持続可能な組織変革を起こしていくことができるのでしょうか。ここに、『ポジティブ・エナジャイザー』(今欲しい、職場にエネルギーをもたらす人材の特徴-ポジティブエネルギー②)の活用が強く関係することを、ミシガン大のキム・キャメロン教授から教わりました。

今回は、「ポジティブ・エネルギー」の測り方と、その活用の仕方についてご紹介します。

 

持続可能な変革のカギは「ポジティブさ」 

キム・キャメロン博士が教えてくれたのは、変革における「ポジティブ」の重要性です。変革というのは表面的なレベルでの行動だけだと短期間で元に戻ってしまいます。それを超えて、価値観や思想(ideology)、成功している姿そのものも根本的なレベルで変化する時に持続可能なものになるといいます。

聞いているだけだと、かなり難易度が高いように感じますが、その鍵となるのが前回のブログでご紹介した『ポジティブ・エナジャイザー』の活用だそうです。

『ポジティブ・エナジャイザー』は変革をポジティブなものにし、いつまでもコンサルタントやリーダーに依存することなく、全社員を主体的に活動する当事者にし、ポジティブな変革を強化するプロセスを生み出すために必要な存在なのです。

 

とても簡単!「エナジャイザー」の見つけ方とは

『ポジティブ・エナジャイザー』は、役職とは関係ありません。
リーダーやマネジャーが必ずしもエナジャイザーとも限りませんので、変革を定着させるためには、まず社内のエナジャイザーを探す必要があります。
そのための簡単な方法をキャメロン博士は教えてくれました。

従業員に、
「所属している組織の中で、最もポジティブでエネルギーを与えている人、3名の名前を挙げてください」
とアンケートを取るだけです。

得票数がエナジャイザーとしての影響力を表します。他にもネットワーク分析など様々な特定方法がありますがこのアンケートが一番簡単です。

*注意点*
誰がどのくらいの得票数だったかの公表はしないでください。予想外の自分のポジションを目の当りにすると、感情的に混乱したり困惑したりしてしまうからです。

 

『ポジティブ・エナジャイザー』の増やし方

アンケートをとったら、次のことを検討して、組織内にエナジャイザーを増やすように働きかけることができます。

【社内のエナジャイザーの特定と評価】
‐組織・職場で最もポジティブなエネルギーを与える人は誰か?
‐最もポジティブにエネルギーを与える人にはどんな特性があるか?
‐エナジャイザーにはどんなインセンティブや評価が必要か?

【エナジャイザーの育成】
‐エナジャイザー育成トレーニングをどのように行うか?
‐リーダーシップ開発は組織・職場のエナジャイザーを育成するものになっているか?

【組織におけるポジティブ・エネルギーの醸成】
‐「ポジティブ・エネルギー」を活用するにはどのようなチームを組織する必要があるか?
‐組織・職場においてより多くの「ポジティブ・エネルギー」を育むにはどのような方法があるか?
‐エネルギーが低い人にエナジャイザーをメンタ-としてつける必要があるか?

特に変革の場面では、ポジティブ・エネルギーの高い人たちを任命してチームを結成することが効果的だとキャメロン博士は教えてくれました。エナジャイザーを変革のプロジェクトチームとして任命すると、通常よりも5倍速いスピードで、ポジティブに変革が進み、定着していくそうです。

 

『ポジティブ・エナジャイザー』を活かすためにリーダーがすべきこと

当然、エナジャイザーを見つけ、育てたからといって持続可能な変革がすぐに起こるわけではありません。
事前にリーダーは変革の準備をしておく必要があります。

1.組織・職場内に変革のためのレディネス(準備)を整える

2.抵抗に対処するために、変わらないことや変わることを明示する

3.ビジョンを左脳と右脳に響くように伝える

4.コミットメントを醸成する

この準備をした後にエナジャイザーを活かしたビジョン浸透の取り組みを行うのです。
組織内のエナジャイザーを増やしていくことは、通常の活動に楽しさと高いパフォーマンスを実現するだけでなく、変化のタイミングではそのスピードと持続可能性を高めることにつながります。

是非皆様の組織でも『ポジティブ・エナジャイザー』を増やし、持続的な組織変革のみならず、ワクワクした職場づくりや生産的な組織づくりにつなげて頂ければ幸いです。

 

私たちBConはポジティブ・エネルギーにあふれる人々が働く組織がこの世界に増えること、これが持続可能な社会を創りだしていく事に他ならないと考えています。
現在BConはキム・キャメロン博士と協働して、ポジティブ・エナジャイザーを育成するプログラムを開発中です。

また、キム・キャメロン博士を招聘し、2017年1月11日(大阪)・2017年1月12日(東京)にて講演会を企画しています。
ご興味がある方はぜひお問い合わせください。 GBGP@bcon.co.jp 


『ポジティブ・エネルギー』シリーズ

1.ワクワクできる職場にあふれる『ポジティブ・エネルギー』とは-ポジティブ・エネルギー①
2.今欲しい、職場にエネルギーをもたらす人材の特徴-ポジティブ・エネルギー②
3.変革を持続可能にするために、組織が増やすべき人材は『ポジティブ・エナジャイザー』_ポジティブ・エネルギー③


ポジティブ心理学に関心のある方、ポジティブが大事とわかってはいても、過度にネガティブな発想・行動パターンを脱する方法が分からないという方へ、こちらのプログラムもご参照ください。

公開講座 レジリエンス SBRP

廣瀬 沙織
東京工業大学大学院 社会理工学研究科 修士課程修了/ 一般社団法人日本ポジティブ心理学協会 理事。 株式会社ビジネスコンサルタントにて営業マネジャー職を担当。その後、同社における顧客組織の組織開発と人材開発への投資効果と投資効率を最大限に高めるための会員制サービスの商品戦略を担当。現在は同社の研究開発マネジャーとして、サステナブル社会の実現のため、ポジティブ心理学やイノベーション理論、自然科学ベースの戦略策定フレームワークに基づく商品開発およびその実践を担当。