「いくつになっても“いきいき”として毎日を過ごせること」

それは誰もが望むことでしょう。しかし実際には、「どうすればいきいきと歳を重ねられるのか?」 についての考察はあまりなされていません。

そこでこの度、「いきいきと歳を重ねるには」というテーマで、対話の会(Change Catalyst Center)を主催しました。曖昧なテーマにも関わらず、参加者は約30名も。それだけに関心の高さがうかがえます。

対話の前提として、人がいきいきと歳を重ねていくには、「心と身体の健康」が大切なのはもちろん、それを支える「社会的健康」(社会の人と人とのつながりがあり、孤立していないこと)が必要不可欠であることを掲げました。

 その上で

  • 一人ひとりがどうしたらいきいきできるのか? そのポイントは何か?
  • 社会的な人と人とのつながりを作り出すにはどうしたら良いのか?

 について参加者全員で対話を重ねました。

対話によって導かれたポイントは次のとおりです。

  1. ある程度の経済的な余裕があること
  2. 身体が健康であること
  3. 家族・他者・地域との双方向の関係が築けていること
  4. 目標に向かって、努力し、成果を出すために頑張れていること
  5. 心の余裕があること(感情を楽しむ余裕)
  6. 自分らしくいられること(世間体からの解放)
  7. 新しいことに触れつづけること
  8. 自分をコントロールできること

つまりまとめると、前提としての「心と身体の健康」「社会的健康」に加え

  • 「自分の目標を持っている」
  • 「自分らしくいられる」

この2つが重要だということが分かりました。

どうやら現代人は、世間体や人からの期待に過剰に敏感になってしまい、自分らしさを失っているようです。これは企業内の人材育成にも言えることでしょう。

それでは、「自分らしく、自分の強みを活用して仕事や目標に向きあう」にはどうしたら良いのでしょうか。

「個人の強み」を活かせていない現状

対話を通じて、多くの人が自分自身と仕事の関係について、さまざまなギャップを抱えていることが浮き彫りになりました。

20代後半の管理職になりたての方がこんなことを話してくれました。

「今の会社で、今の仕事を続けていて良いのか、よく悩みます。私はとにかく力をつけたい、オタクになりたい。」

さらに掘り下げてみると、

  • 先輩から「管理職とはこうあるべきだ」と言われ続けている
  • 自分の力では、先輩の言う「あるべき姿」になれない気がしている
  • オタクのように自分の興味に集中し、専門性の力を身につけたい

ということでした。

ともすると企業人は、まわりから強制される「あるべき姿」に縛られ、個人の力が十分に発揮できなくなっているのかもしれません。そして、その「あるべき姿」が自分の「強み」とは違っていると感じ、今の仕事に集中できなくなっている可能性もあります。

あなたの会社では、人材育成をどのような考え方で設計されていますか?

「あるべき姿」に社員を押し込めようとしていませんか?

一人ひとりの力の発揮の仕方まで縛ってしまい、本来個人が持っているはずのパフォーマンスを出すことができず、企業や社会に貢献できなくなってしまっている社員はいませんか?

 個人の強みが活かされない2つの理由

そこでぜひ、「個人の強み」を仕事に活かしましょう。
そのためには次の2つの要因に注目するべきです。

  1. 【個人として】部下や後輩だけでなく自分自身の強みさえ考えたことがない
  2. 【組織として】強みよりも弱みに対してフィードバックされる機会が多い

 1.【個人】仕事に対する価値観の違い

1つ目は、個人が持つ仕事に対する価値観の問題です。

「やりたいことや、好きなことを仕事に活かす」といったことに抵抗感を持つ人もいます。「仕事とは辛いもの」という価値観に凝り固まってしまえば、「強みを活かす」という発想にはなりません。

 2.【組織】弱みに注目してしまう体質

2つ目は、職場で交わされる言葉が、つい弱みに向いてしまいがちということです。

「あなたは、ここが弱いから、必ず改善するように」とよく言われますが、「あなたのこの強みを発揮して成果をあげることに期待しているよ」と言われる機会はそう多くはありません。

上記2点について、具体的な解決策を模索していきましょう。

 個人としての意識・組織としての働きかけ

「個人」としては、単に自分の強みを認識させるだけでなく、それをどのように仕事に適用できそうか、あれやこれや考えることを習慣化させることです。

仕事に強みを活かそうとすれば、個人として、自分の仕事に対する見方が変わり、目指す仕事の水準が一段上がります。そして「こういう方法もあるな、こういうサービスも求められるんじゃないか」と仕事の意義を自発的に発想するようになってきます。

そのキッカケとして

「強みを認識する」
      ↓
「仕事への活用を考える」
      ↓
「仕事の意義を見出す」

というサイクルが重要になります。

組織として、メンバー同士がお互いに尊敬・尊重し合う雰囲気を作ることです。メンバーがお互いの強みの違いを認識し、組織/職場内で補完し合って仕事ができる関係を作るのです。

そうすると、

「自分が仕事をできるのは、○○さんのおかげだ」
「△△さんは、自分にできないことをあれだけやれるのは本当にすごい」

と考えるようになります。

そうすることで、職場でのポジティブな人間関係が構築でき、多少の困難にぶつかっても強みを活かしあって乗り越えることができるようになるのです。

ポジティブは伝播します。職場に1人でも2人でも自分や他者の強みに目を向けられる人が増えれば、ポジティブの好循環による強固なチームワークが構築されます。

あなたもぜひ、部下や同僚、上司の弱みに注目するよりも、「強み」の方に目を向けることで、業務や人間関係の改善に努めてみてくださいね。

個人の強みを生かすこと、ポジティブの好循環はクリエイティビティにも関連します。以下よりダウンロード頂ける資料ではより多面的にあなたの「クリエイティブタイプ」を診断することが可能です。ご興味のある方はぜひお試しください。

廣瀬 沙織

東京工業大学大学院 社会理工学研究科 修士課程修了/ 一般社団法人日本ポジティブ心理学協会 理事。

株式会社ビジネスコンサルタントにて営業マネジャー職を担当。その後、同社における顧客組織の組織開発と人材開発への投資効果と投資効率を最大限に高めるための会員制サービスの商品戦略を担当。現在は同社の研究開発マネジャーとして、サステナブル社会の実現のため、ポジティブ心理学やイノベーション理論、自然科学ベースの戦略策定フレームワークに基づく商品開発およびその実践を担当。