「ポジティブであること」が、ビジネスの場においても有用であることは、だれもが知ることだと思います。
しかしこれが、どのような形で仕事に関わり、そしてどのような形でつくることができるのか、ということはあまり知られていません。

そこでここでは、ポジティブ心理学の知見やお勧めの習慣などをご紹介していきたいと思います。

 「コーヒーとお菓子」で高まる仕事力

先日、仕事でスウェーデンに行く機会がありました。
多くのビジネス関係の方や大学の教授、NGO団体の方々とミーティングをしました。その中でとても印象的だったのは、「Fika(フィカ)」という習慣です。
「美味しいコーヒーとお菓子を楽しみながら、一緒に話をしよう!」という時間を表現する言葉だそうです。
日本では「おやつの時間」に近いイメージかもしれませんが、「人と一緒に話をしよう!」ということまで含まれているところに違いがあるように感じました。

ミーティングの際には、どのような場面であっても、必ずコーヒーポットやおやつ、フルーツが机に並びます。
特に、イノベーションを研究している大学の教授や実務家の方々のミーティングルームでは、その傾向が顕著です。部屋の中央に、キッチンや冷蔵庫、コーヒーメーカーなどを置いたFikaスペースが設けられているのです。

そのほうが人と人との関係が深まり、イノベーションが生まれやすいという研究結果をもとに設計しているそうです。

私自身も、このFikaの恩恵を受けました。
コーヒーやお菓子を楽しみながらのミーティングは、初対面の緊張感を和らげ、「もっとこの場で、この人たちと一緒にいたい」という気分をもたらしてくれました。

しかし、「こんなスペースは取れない」と思う人も多いはずです。ただ、もっと簡単に、かつローコストで、このFikaに似た効果を得ることもできます。次の項目では、その証明となる実験結果をお教えします。

ポジティブ脳は意外と簡単につくられる

「前向きで、将来に希望を持ちながら仕事をする人は生産性が高い」ということが近年のポジティブ心理学の研究で解明されてきました。何でも無理やりにポジティブに考えるようにすることではなく、適度にポジティブな状態を保つことが生産性を高めるというのです。

例えば、前向きな気持ちになっている医師と、そうではない医師の診察結果の違いをみる実験があります。
診察前にポジティブな感情になった医師は、そうでない医師よりも3倍も正しく、より短い時間で診察ができるという結果がでました。ポジティブな感情が医師の視野を広げ、創造的な仕事につながったというのです。

とはいえ、簡単には仕事中にポジティブな気分になれないよ……と思ってしまうかもしれません。では、医師をポジティブな感情状態にするために、この実験でしたことは何だと思いますか?

実はたった1個の飴玉を渡しただけなのです。

たったこれだけのことがパフォーマンスに変化を起こせるのです!これは驚きの事実です。

つまり、スウェーデンでのFikaはとても合理的な方法で、人のパフォーマンスを高める仕組みだったのです。とはいえ、職場でいつも部下に飴玉をあげていたら飽きられてしまいますね。

そこで最後に、より具体的に、個人・職場での生産性を高める簡単な方法をお伝えします。

日常生活の工夫で高められる生産性

先ほどの飴玉のやり方も悪くはありませんが、より実践的な方法があります。日常の習慣を変えることで、ポジティブな状態を作り出し、結果としてパフォーマンスを高める方法です。

その1つが、「3つの良いことに注目する」というものです。人間はどうしてもネガティブな事に注目する傾向があります。そのため、毎晩寝る前に“今日起こった3つの良いこと”を日記のように記録し、バランスを取るようにするのです。

そうすることで、明らかに仕事や家庭におけるパフォーマンスが変わってくると同時に、身体が健康になることが証明されています。

是非、試してみてください。

ポジティブ脳はクリエイティビティに大きく影響することがお分かりいただけたでしょうか?以下の診断ではより多面的にあなたのクリエイティブタイプを診断することが可能です。ご興味のある方はぜひ下記よりダウンロードしてみてください。

廣瀬 沙織
東京工業大学大学院 社会理工学研究科 修士課程修了/ 一般社団法人日本ポジティブ心理学協会 理事。 株式会社ビジネスコンサルタントにて営業マネジャー職を担当。その後、同社における顧客組織の組織開発と人材開発への投資効果と投資効率を最大限に高めるための会員制サービスの商品戦略を担当。現在は同社の研究開発マネジャーとして、サステナブル社会の実現のため、ポジティブ心理学やイノベーション理論、自然科学ベースの戦略策定フレームワークに基づく商品開発およびその実践を担当。