会議・話し合いにまつわる不安・不満を解消する

話し合いの長引いたプロジェクト会議やミーティングでは、どうやって合意形成を図りますか?
あなたは、話し合いをしながら、ほかのメンバーがいやいや賛成しているのか、賛成しようか反対しようか決めかねているのか、本音が分からずに不安に感じたことはありませんか?
自分はまだ何となくすっきりしないけれど、それをうまく言葉にすることができず、もやもやしたまま会議が終わってしまったことはありませんか?
それから会議の後も、何となく結論が決まってしまい、結果、誰もそのプランに主体的に参画してくれなかったといったことはありませんか?
せっかくワクワクするようなプランが出来上がっても、会議の参加者以外に内容を伝えるとき、そこでなされた議論の「温度感」まで伝えることに苦労した経験はありませんか?

グラフィック・ファシリテーションはこのような時にも効果を発揮するファシリテーション手法です。今回は、前回の記事でご紹介した2つの場面での使い方について、詳しくご案内します。最後には、グラフィックの書き方もご説明しますので、やってみたい方には必見です。

グラフィック・ファシリテーションでレコーディングする

「グラフィック・レコーディング」とは、会議やミーティング、講演会などの議事録を、その場で絵を用いて描いていくことです。この場合、グラフィックを使うシーンは大きく2つ考えられます。ひとつ目は情報を構造化し、事実を共有した上で、予測や判断に活用するシーン。2つ目は議論そのものを活性化するシーンです。

①情報・事実の構造化

押さえておくべき事実や情報、決める事をアイコンや図解を使いながらグラフィックにしていきます。結論を書く枠や、決めたことを書く枠、あとで話し合うことを書く枠など議論の大枠を用意しておくことで、議論が横道に逸れずに到達したいゴールにたどり着くことができます。

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議論そのものの活性化

事実や情報の他に、参加者の表情や、声の強さ、身振り、部屋の雰囲気、へえ~・ホ~といったリアクション、テンションの上り下がりなど部屋の中ではいろんなことが起こっています(組織開発の言葉では『プロセス』と言います)。色で塗りつぶしてみたり、表情の横に吹き出しセリフを描いてみたり、ぐるぐると渦巻を書いてみたり、それこそアニメや落書きのようにイラストで表現します。

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グラフィック・ファシリテーションでコミュニケーションの質を高める

「グラフィック・コミュニケーション」とは、会議や研修会、報告会などでの配布資料、情報伝達のためのポスターなどを、絵を用いて作成することです。難しい内容を分かりやすく伝えたり、参加者の巻き込みを図りたいときに非常に有効で、注目されやすく、参画意欲や創造性を引き出します。グラフィック・コミュニケーションがよく使われるものとしては、①概念図 ②アジェンダ・タイムスケジュール ③ワークシートが挙げられます。

①概念図

伝えたい情報を、図や絵を活用してポスターや貼り出し資料とします。

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②アジェンダ・タイムスケジュール

ステップが細かく、分かりにくいような場合も、イラストで親しみやすさを感じることができます。

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③ワークシート

参加者自らが絵を描きこむこともできます。

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何から始めたら、できますか?グラフィックの書き方のポイント

ここまで読んで頂き、グラフィック・ファシリテーションをやってみたい!と思った方も、絵をかくなんてちょっと難しそうと思っている方も、グラフィック・ファシリテーションは、コツさえつかめばだれでも実践できる手法です。

Step1【絵を描く練習】

いきなり人前で描くことに抵抗のある方は、100円ショップで画用紙と色サインペンを買い自主練します。

 Step2【お手本を探す】

インターネットで「グラフィック・ファシリテーション」「イラスト アイコン」などと引くと様々な例が出てきます。使いたいフレームワークや構図をマネして描いてみましょう。

Step3【キャンバスを用意する】

ホワイトボードや模造紙を壁に貼り、腕を大きく使う練習をします。(模造紙は文具店で1100円前後)縦縦、横横とキャンバスを目いっぱいぜいたくに使って腕を動かしてください。直線直線、〇〇、四角と何度も繰り返すと10分くらいで肩、ひじ、手首を自然に使って絵が描けるようになります。

Step4【実践】

「今、グラフィック・ファシリテーションというのが一般的になってきているようで、今日はちょっと試してみたいんです」と添えても良いかもしれません。楽しさを周囲に伝えるためにも、まずはご自分でセミナーに参加して実体験してみるのもよいでしょう。自分たちで体験してみるのがいちばん近道です!最初の一歩を社内でお試ししたい場合も、ビジネスコンサルタントのスタッフがお手伝いできますのでご相談ください。

あれこれTips

・初めからいろんな色を使おうとせず、最初は黒で書きます。
・書いた言葉の間を色で囲む、関係性を矢印や点線でつなぐだけでも立派なグラフィックです。
・会議に関係のありそうなイラストや写真を事前に見て、簡単に下絵を練習しておくと、サッと使う事ができます。お手持ちのスマートフォンで画像を検索し、参考にすると良いでしょう。
・人、建物、顧客、アイディア、ゴール、矢印といった基本的なアイコンを練習し、時間をかけずに描けるようになっておきます。
・色で迷ったり、上手いイラストを描こうとすると時間をロスします。
・流れに乗ってドンドン描いて行き、後から、「ここではこういう事でしたか?」と参加者に聞きながら書き足すと、会議自体の振り返りにもなります。
・「私はこのように聞きましたが、皆さんはいかがでしたか」と時々場にフィードバックし、参加者の理解と合うように修正したり、加筆しながら進めます。

グラフィックはあくまでもツール

皆で事実を共有し、いつもよりも議論が活性化して、目新しいグラフィックという成果物が完成した。で終わってしまうと、それこそ絵に描いた餅になってしまいます。この話し合いの目的は、アイディアを出すため?ゴールを決めるため?社員の声を経営に取り入れたいから?
ねらいや得たい成果をイメージし、皆の話し合いの全体のプロセスを丁寧に編んだ中で初めてグラフィックが生きます。グラフィック・ファシリテーションは豊かな話し合いの場を作って、皆でその”果実”を共有するための道具なのです。
次回の記事では様々な実践例をご案内します。どうぞお楽しみに。


私たち株式会社ビジネスコンサルタントは、組織開発の一助としてグラフィック・ファシリテーションを活用しています。グラフィック・ファシリテーションをプロジェクト等で活用されたい、研修会でやり方を学習したいと思われる方はgbgp@bcon.co.jpまでご連絡ください。


【グラフィック・ファシリテーションシリーズ】
会議が楽しくなる最新ファシリテーション手法とは_①
②会議が楽しくなる最新ファシリテーション手法とは_②
会議が楽しくなる最新ファシリテーション手法とは_③


グラフィック・レコーディングの具体例のご紹介です。チクセントミハイ博士の初来日公演の内容を、グラフィック・ファシリテーションの技法を使いeBookにまとめています。ぜひダウンロードしてご覧ください!

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遠藤 麻衣子
西南学院大学にて文化人類学を学ぶ。外資系人材ビジネスに13年勤務した後、米国留学を経て2014年(株)ビジネスコンサルタントに加わり商品開発のための探索活動を行っている。就職と離職の場面を何百回と目にした経験を元に人が仕事を通じてイキイキとする支援や大人の学習意欲、またキャリア観を高める支援を探求中。英語力キープを兼ねて海外文献や学会情報へのアクセスを欠かさない日々を送っている。