大人がチャレンジする社会へ(Co-Laboとは)
Co-Labo(コーラボ)プロジェクトは、「大人が活力を取り戻し、チャレンジする社会」を共に創る実験の場です。2026年1月より3か月間、全4回の活動を通して、パラリンピック金メダリストの狩野亮さん、企業で働く皆さま、そして(株)ビジネスコンサルタントが一緒になって学び、探求しました。
これまでの流れ(第1~第3回の概要)
第1回では車椅子体験と対話を通じて、私たちの中にある制約や挑戦への思い込みを揺さぶりました。
第2回は、チャレンジする社会に向かうための推進力と規制力を考えました。参加者はチャレンジする組織を実現するための推進力と規制力を整理し、自組織が向き合うべき課題について考えました。
第3回では、参加者一人ひとりが自身の挑戦テーマを設定し、理想の姿(To-be)を具体的に描きました。そして理想の姿に近づくために、直近の1か月間で取り組む具体的なアクション(小さな実験)を検討しました。
“小さな実験”の結果を持ち寄った最終回
最終回は、2026年3月27日に対面とオンラインのハイブリッド形式で実施しました。テーマは「“小さな実験”の振り返りから学ぶ:チャレンジが続く組織の条件づくり」。
ご自身で設定した挑戦テーマについて試行錯誤を重ねてきた参加者は、その手ごたえや課題を持って集まりました。
新たなチャレンジをする際、全てがうまくいくのは稀なことです。次の一歩を進めるための整理の機会として、お互いの状況を共有し、アドバイスしあう時間になりました。
本レポートでは、対話や狩野さんのお話を通じた学びの様子をお伝えします。
チャレンジに立ちはだかる4つの壁
参加者が設定したチャレンジテーマは様々ですが、行動を起こしたときに生じる壁には、共通点があるかもしれない。参加者が事前に提出した振り返りを基に、壁を乗り越えるための問いを4つ掲げました。そして、同じような課題意識を持つ人で集まり、対話を行いました。
壁を乗り越えるために
- 1.どのように自分を整えたら良いだろうか
- 2.どうしたら意味ある対話ができるだろうか
- 3.どのような仕組みや構造を創り、それらをどう活用していけば良いだろうか
- 4.他者にどうはたらきかけ、影響力を発揮していけるだろうか

金メダリストが語る、自分の挑戦を前進させるヒント
各参加者が活動状況を共有しあった後、狩野亮さんのお話をお聞きしました。テーマは「いま狩野さんが挑戦していること/壁になっていること」。
狩野さんのチャレンジと、それを進めるための工夫や心構えをお聞きすることは、参加者にとってヒントになると同時に、勇気づけることにもつながりました。お話の中から印象的だった内容をご紹介します。
※狩野亮さんプロフィールは以下よりご覧いただけます(一般社団法人 SPICE.F WEBサイトより) https://spicef.jp/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%ab/
一歩を踏み出すためのヒント
動かないことの方がリスク
現状維持のまま動かないことよりも、まず動いてみることの方が、自分にとっては価値がある。狩野さんは、経験を重ねる中で「何がリスクか」の捉え方が変わったと話します。

まずは小さく動かしてみる
忙しさや限界を感じるときこそ、環境を少し変えてみる。誰かに会って話を聞く。何か一つだけでも動かしてみる。小さな変化が、止まっていた状況を動かすきっかけになります。
うまくいかなければ、次に進めばいい
思いを伝えても、すぐに理解されたり賛同されたりするとは限りません。そんなときは「今回は伝え方が合わなかったのかもしれない」ぐらいに受け止め、立ち止まらずに次に進む。そうする中で、共感してくれる人や一緒に動いてくれる人に出会える可能性が広がります。
小さな変化の実感が自信につながる
狩野さん自身も、最初から自信があったわけではなかったそうです。練習を重ねる中で少しずつ変化を実感し、その積み重ねが自信になり、自発的な行動につながっていったといいます。
人を巻き込むためのヒント
まずは自分が楽しそうに動く
無理に人を説得しようとするのではなく、まずは自分が楽しそうに、前向きに動いている姿を見せる。その姿が、自然と周囲を引きつけ、共感や参加につながっていく。人を巻き込む第一歩は、自分自身のあり方にあるのかもしれません。
相手が輝き、力を発揮できる場をつくる
一緒にやってほしい相手に対して、ただ働きかけるのではなく、その人が力を発揮できる役割や場を考える。そのためには、まず相手を理解することから始めることが大切です。
仲間と共に次の一歩を踏みだす
狩野さんのお話もヒントにしながら、改めて対話し、規制力を克服するためのアイデアを出し合いました。
挑戦の歩みを進める中では、様々な規制力にぶつかります。例えば「変化への抵抗」「他人事化」「時間や余裕の不足」。それらにどう向き合うかはそれぞれの人に委ねられますが、克服には、個人の意欲・意思だけでなく、共に活動する相手や関係者、組織の仕組みや構造など、様々な要素が絡み合っています。
アイデアを出し合う過程の中で、もやもやした気持ちを共有し、課題を共有できる仲間がいること、相談できる相手がいることを実感したのも一つの収穫だったように思います。

結びに変えて
「大人が活力を取り戻し、チャレンジする社会」という大きなテーマを掲げてスタートした実験プロジェクト。テーマの大きさゆえに4か月で区切りをつけるのは正直なところ難しいと感じています。ただ、チャレンジに取り組み、共に考え、企業の垣根を越えて話したり、つながりができたりしたことは大きな一歩だったと思います。
今回のプロジェクトを振り返って、参加者からはこのような声を頂きました。
- • 「今ある環境を変えるリスク」より「何もしないことのリスク」の方が大きいという考え方が印象的だった
- • 実際に挑戦してきた人の話を聞いて、自分ももっと大きな挑戦ができると感じた
- • 挑戦には目標設定だけでなく、失敗を恐れず、小さな行動を積み重ねることが大切だと分かった
こうした声の背景には、「頭でわかる」だけではなく、体験からの気づきや学びがあったのだと思います。
「挑戦が大切」ということは、だれしも頭では理解しています。しかし、自分の中にあるブレーキや、挑戦を阻む要因とじっくり向き合うことは、簡単ではありません。
車いす体験、組織を超えた対話、そしてチャレンジの取り組みを通じて、参加者一人ひとりが挑戦について考え、見つめ直す機会になったと感じています。
また、このプロジェクトでは挑戦を生み出す大事な要素として、周囲のサポートの重要性も語られました。応援してくれる仲間がいること、失敗しても非難されない風土があることなど、参加者自身が環境や関係性の大切さを語ってくれたことも印象に残りました。
挑戦とは一直線に進むものではなく、試行錯誤を繰り返しながら進んでいくもの。
今回の実験プロジェクトでは、そのことを参加者と運営者が一緒になって実感しました。
ご参加くださった皆さま、サポートくださった全ての皆さま、本当にありがとうございました。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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早稲田大学教育学部卒業後、株式会社ビジネスコンサルタントに入社。
学生時代より、子どもから大人までの「学び」に関心を持つ。
企画営業を経て、研修資料の作成や知的財産管理・法務業務を担当。
現在は研究開発部門にて、企業の人材育成・組織開発に関わるプログラム開発に従事している。




