サスティナビリティを重要視する理由とは?

企業は何のためにサスティナビリティ課題に取り組んでいるのでしょうか?
ブランド、信頼、評判のためという表向きの回答の裏に、政治的規制や利害関係者からの圧力に対して、仕方がなく取り組んでいるのではという非積極的な印象もあるのではないでしょうか?

2013年に世界のCEO1000人に対して行われた、サスティナビリティ課題に対する取り組みの動機調査*では、27%が「政治・規制環境」、12%が「投資家・株主からの圧力」と回答しており、確かに企業が外圧によって受け身的に対応しなくてはならないという側面はあるようです。

しかし一方でより多くの回答があったのが、「売上増・コスト削減の可能性(49%)」、「消費者・顧客の需要(47%)」でした。多くの企業がサスティナビリティ課題への取り組みを自社のビジネス機会、競争優位性を高める手段、あるいは事業目的(顧客数の増進)を追求する手段として考えているようです。

サスティナビリティ課題をどのように機会に変えられるか?

それでは、サスティナビリティ課題への取り組みを自社の脅威ではなく、ビジネス機会へと転換していくためには何が必要なのでしょうか?
以下にサスティナビリティ課題へ取り組み、他社との差別化に成功している企業の事例を紹介したいと思います。

Newlight社は2003年に「排出された温室効果ガスを資源として利用できないのか?」という課題の元に設立されました。
一般的に知られている温室効果ガス対策への取り組みは、まずできるだけ排出量を削減すること、どうしても排出されるガスについては削減活動に投資するなどの方法でアプローチしていくことです。
ところが、この排出された温室効果ガスを回収し、資源として再利用するという発想がNewlight社の非常にイノベーティブな点です。

Newlight社は10年にもわたる研究の結果、空気と温室効果ガスをプラスチックに変換させる独自の温室効果ガス回収技術を用いて、AirCarbon™という炭素不使用のプラスチック素材を発明しました。現在このAirCarbon™プラスチックは30社以上で利用されています。

その内の1社であり、AirCarbon™を使ったスマートフォンケースを販売しているSprint社の製品副部長David Owens氏は、次のように語っています。

我々は、石油由来プラスチックの代替物となる可能性のある製品として、温室効果ガスから作られるプラスチックの製品技術を導入できることを嬉しく思う。このイノベーションはSprint社が顧客へ環境配慮型製品を提供するにあたって、リーダーシップを発揮することを示す良い例だ

サスティナビリティ先進企業では、このようにイノベーションを起こすことで新しい価値や問題解決手段を創造し、ビジネス分野でのリーダーシップを発揮することに成功しています。
サスティナビリティ課題をビジネスの味方につけるためには、サスティナビリティというキーワードの元、いかにイノベーションを起こしていくかが重要です。
今後、製品・技術の開発だけではなく、製造・販売プロセスやビジネスモデルなど、生産から一般消費者に届けていくまでの各ステージにおいてイノベーションを起こしていける企業が、サスティナビリティ社会でリーダーとなっていくことでしょう。

参照
・ UN-Accenture, 2013, UNGC CEO Study (回答者は上位3つを選択)
http://www.accenture.com/SiteCollectionDocuments/PDF/Accenture-UN-Global-Compact-Acn-CEO-Study-Sustainability-2013.PDF
・ UNEP, 2012, The Business Case for the Green Economy
http://www.unep.org/greeneconomy/Portals/88/documents/partnerships/UNEP%20BCGE%20A4.pdf
・ Bruce Watson, 2014, The Guardian; Could future clothes, bottles and chairs be made from carbon emissions?
http://www.theguardian.com/sustainable-business/aircarbon-sustainable-materials-greenhouse-gases-carbon-dioxide
・ Sprint.com, 2014, Better Solutions, One Phone Case at a Time: Sprint Supports New Technology That Turns Greenhouse Gas into Plastic
http://newsroom.sprint.com/news-releases/better-solutions-one-phone-case-at-a-time-sprint-supports-new-technology-that-turns-greenhouse-gas-into-plastic.htm

 

いかがでしたでしょうか。企業にとってのサスティナビリティとイノベーションとの関連性について以下のeBookに分かりやすくまとめています。ぜひ下記よりダウンロードしてご覧になってください。





サステナビリティとイノベーション 〜次世代への責任〜




木梨 さやか

立命館大学 文学部心理学科卒、同大学院 国際関係研究科 修士課程修了。在学中に西アフリカのガーナにて地方行政制度とコミュニティ開発の研究を行う。株式会社ビジネスコンサルタント(BCon)に入社後、営業、支援部門を経て、グローバルネットワーク本部に所属。Happy Life, Successful Business and Sustainable Worldを目指し、BConプログラムのグローバル展開に携わっている。