2020年までに環境への負荷をゼロにする」

そんな無謀とも思えるミッションを掲げ、サスティナビリティの取り組みを続けている企業があります。世界的なタイルカーペット会社であるインターフェイスです。

驚くことにインターフェイスは、この「環境への負荷をゼロにする“ミッション・ゼロ”」に全社をあげて取り組むことで競争優位を生み出し、世界ナンバーワンシェアを保ち続けているのです。

全社員が一丸となって「ミッション・ゼロ」の達成に向けて行動するインターフェイスでは、社員にどのように理念を伝え、どのように社員を動かしているのでしょうか。インターフェイスジャパンのカントリーマネージャー福元美和さんにお話をうかがいました。

社員に「ミッション・ゼロ」を忘れさせない仕掛けとは

「サスティナビリティの取り組みについて伝えることが、営業支援のひとつだと考えられている」というインターフェイスでは、「社員が思わずサスティナビリティの取り組みについて話したくなってしまう仕掛け」がある、と福元さんは話します。その仕掛けをまとめると以下の3つになります。

1、メッセージを社員が感動するストーリーにして伝える

「そもそも、会社が社員に対してメッセージを送るときの伝え方が上手だな、と感じます」(福元さん)。会社が社員に対してメッセージを送る際、例えば社の方針を示すメッセージなども、なぜそうした方針が出されたのか、それによって世界はどう変わるのかといった内容が、物語のような形で社員へ届くといいます。社員は、その背景となるストーリーを知ることで、「インターフェイスはすごい!こんなにすごいことを考えているのか!」と、感銘を受け、思わず顧客にもそれを伝えたくなるのです。

、ストーリーを伝えるためのツールが充実している

ストーリーを伝えるためのツールも充実しています。単に「こんな方針になりました」と、文書、メールが配られるのではなく、美しい写真を用いたパンフレットや動画が用意されます。社内資料とは思えないほどのクオリティの高さで社員の感動をつくり出しています。

3、社内向けのイベントで取り組みについて伝える

時には、サスティナビリティの取り組みについて社員に知らせるためだけに、社内向けのイベントが開かれることもあります。「ネットワークス」の取り組みを伝える際にも、アジアの各支社から営業、マーケティング、デザイナーなど様々な部署の社員70名がシンガポールに集められ、大々的なイベントが行われました。

Human Nature Magazineシンガポールでのイベントでは、「ネットワークス」に取り組んだイノベーションチームのメンバーから直接この取り組みについての発表があった他、ロンドン動物学会の人の講演も行われるなど、社員向けでありながら、顧客がいても遜色ないほどのクオリティのイベントが行われたそうです。「こうしたイベントに参加すると『自分は社員として大切にされている』と感じますし、関係者から直接話を聞いたり、見たりすることで、その感動、インパクトはとても大きくなります。他の支社のメンバーと話しあうなど、コミュニケーションを取ることもできますし、とにかく感動が大きいので、イベントに参加するのはとても楽しみです」。

こうしたイベントは2年に1度ほど開かれ、その度に理解も深まり、活動を応援しようという気持ちになるといいます。「イベントに参加すると、CSR活動が、『社内のよく知らないイノベーションチームの取り組み』ではなく、『自分たちの取り組み、自分たちの成果だ』になるのです。学んだ内容は営業のネタの引き出しもなりますし、モチベーションも高まります」とのことで、単にサスティナビリティについての取り組みを理解するためのイベントというだけでなく、社員のモチベーションを高めるイベントにもなっているようです。

日頃から様々な形でもたらされるストーリー、視覚に訴えるツール、そして体感することができるイベントにより、福元さんは「おかげで、『ミッション・ゼロ』のことを忘れることができません。それくらい、身にしみこんでいます」と話します。

インターフェイスの社員にとって、「ミッション・ゼロ」は心に刻まれているだけではありません。サスティナビリティについての取り組みを、経営層が積極的に支援する風土があります。インターフェイスジャパンでも日本独自の「使用済みカーペットの回収・リサイクルプログラム」を立ち上げました。--->(4)持続可能性が競争優位の源泉 へつづく

最後にインターフェイスが作成した動画を紹介します。

『Gray Note Video』
インターフェイスの創業者レイ・アンダーソン氏が、ビジネスと業界全体を変えたサスティナビリティへの挑戦を描いた動画です。

『ネット・エフェクト』
フィリピンで回収された漁網がインターフェイスのカーペットに生まれ変わります。地球環境だけではなく、社会問題を直接解決するカーペットの背景にあるストーリーを紹介する動画です。

福元 美和
福元 美和(Miwa Fukumoto)

鹿児島県出身。ワシントン州立大学インテリアデザイン科卒。大学卒業後はシアトルの地元企業でインテリアデザイナーとして働く。帰国後、インターフェイス社にデザイナーとして入社。2012年同社カントリーマネージャー就任。インターフェイスがグローバルに掲げるミッション・ゼロの取り組みを日本でも実現するため、使用済みタイルカーペット回収プログラム「リ・エントリー」提供の実現等、実践奮闘中。
URL: www.interface.com
Email:jpnweb@interface.com

 

【サスティナブル事例】タイルカーペット世界一 インターフェイス社

  1. 環境への負荷ゼロを目指す
  2. CSRは営業活動の一部!?
  3. 社員が一丸となる3つの理由
  4. 持続可能性が競争優位の源泉

タイルカーペットの世界トップシェアを持つインターフェイス社。彼らが社内外の人々を巻き込み、ビジネスモデルの変革により実績を積み重ねている秘訣をインタビューし、4つの章にまとめました。本記事では3章のみお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?4章すべてをご覧になりたい方は、下記より是非ダウンロード頂き、貴社の取り組みにお役立てください。





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井上 佐保子
1972年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。通信社、出版社勤務を経て、2006年にフリーランスライターとして独立。ビジネス誌、専門誌を中心に、企業の人材育成、人材マネジメント、キャリアなどをテーマとして、企業事例、インタビュー記事などを多数執筆。人事・人材育成分野の書籍ライティングも手がけている。